ヒバリとタヒバリ

 ヒバリとタヒバリ。皆さんはその違いがわかるだろうか?

 ちなみに、1枚目がヒバリ・2枚目がタヒバリ。

 鳥に精通している方は別として、両者はよく似ていて違いがあまりわからない。正直に告白すれば、自分は春国岱でこの鳥を観察するまでは、タヒバリの存在を知らなかった。


同日・同時刻に春国岱にて撮影したヒバリ(1枚目)とタヒバリ(2枚目)


 話は遡って令和3年(2021年)5月、長女・次女と3人で郷土博物館主催の「初めてのバードウォッチング」に参加した。とても楽しむことができたこのイベントの後、もともと動物や生き物が大好きな次女と、元々それなりに鳥に興味のあった自分は、以前から設置していた我が家のバードテーブルに来る鳥たち、巣箱で子育てをするスズメをよく観察するようになり、鳥への興味が少しずつ大きくなっていった。


ヤマザクラの木にかけた巣箱で子育てするスズメ。

今年(2022年)は3組のつがいが子育てをしてくれた。

巣立った後も親鳥からエサをもらう幼鳥。幼鳥のほうが頬の黒い斑点が薄いことなどで判別可能。また、幼鳥はまだしっかりと立つことができずに尻もちをついたような格好になっている。

ヒナのうちは昆虫を食べているが、巣立った途端に急に穀類に切り替えることはできないため、しばらくは親鳥が昆虫と穀類を調整しながら幼鳥に与えて徐々に穀類に切り替えていくらしい。この話を聞くまでは、ただ幼鳥が甘えているだけかと思っていた。


 我が家の庭には夏はカワラヒワやアオジ、ベニマシコに加え、まれにツグミやノビタキもやってくる。冬はヒヨドリ、シジュウカラ、ハシブトガラが主なお客様。この冬はカラ類の群れに交じって初めてシマエナガが姿を見せてくれた。

 これらの家の前にやってくる鳥たちを観察するだけでも楽しかったけど、次第に「もっとたくさん見てみたい」という気持ちが出てきて、令和4年(2022年)3月についにメルカリでお手頃な双眼鏡を2台購入!ここから部長:次女、部員(記録係):自分の鳥部が発足することになった。


我が家にやってくる夏鳥。

1枚目からカワラヒワ・アオジ・ベニマシコ。

ベニマシコはタンポポの種を食べているところをよく見かける。

たまに姿を見せるノビタキ(♂)

こちらも夏鳥。

我が家の庭には主に冬にやってくる鳥たち。

1枚目からヒヨドリ・シジュウカラ・ハシブトガラ。

こちらは1年中網走にいる留鳥。

今冬(2022年11月)初めて我が家に来てくれた、雪の妖精シマエナガ。(次女撮影)

こちらも留鳥で、冬になるとカラ類に交り群れとなって行動することもあるらしい。


 部長はとても勉強熱心で、暇さえあれば図鑑を見ながら鳥をスケッチ。最初に買った簡単な図鑑では物足りなくなり、自分のお小遣いでもっと詳しい図鑑を買うほどの熱の入れよう。どのページにどの鳥が乗っているかもだいたい把握するほど読み込んでいるから、鳥の特徴や生態にもだいぶ精通してきている。

 一方の部員は、「あれ、撮っといて!」と部長から指示されて写真を撮るのが精いっぱい(^^;) 部長が見つけたクマゲラを「あれ、カラスじゃない?」と言って怒られるという失態も・・・。


部長(次女)が市内某所で発見したクマゲラ。

頭頂部の赤い部分が見えるまで、自分はカラスにしか見えなかった・・・。


 こんな感じで、次女と自分で面白おかしく鳥部の活動を続けて現在に至るわけだが、この夏に何回かあった3連休を利用し、鳥合宿と称した鳥を観察する2泊3日キャンプを2回ほど行った。1回目は達古武キャンプ場をベースに霧多布・釧路を巡り、2回目は霧多布岬キャンプ場をベースに根室・霧多布・釧路で野鳥観察を楽しんだ。

 この2回目の鳥合宿で出会ったのが、冒頭で登場したヒバリとタヒバリである。

 第2回鳥合宿の初日に訪れた春国岱。ヒバリがたくさんいることから名付けられた「ヒバリコース」を歩いていると、たくさんのヒバリを見ることができた。もちろん自分の目には、どれもヒバリにしか見えないのだが、部長が突然「あの木道の下の鳥撮って!」と言い始めた。とりあえず部長の指示通り写真を撮ってみたものの、ファインダー越しに覗いたその鳥はやっぱりヒバリ?

 しかし、双眼鏡でその鳥を見た部長の反応は、「あれ、タヒバリかも。」思わず自分は、「タヒバリってなに?」と聞き返してしまった。直前に取ったヒバリの写真と、部長に指示されて撮った鳥の写真を画面上で拡大して見比べてみると、何となく雰囲気が違うような。(部長に言わせると、この時点でヒバリではないという確信を持っていたとのこと。)


別の場所で撮影したヒバリ。

こうやって見ると、ヒバリはやっぱりヒバリ。


 確信が持てないままとりあえず先に進んだ木道(キタキツネコースの途中)では、ヒドリガモやアオサギの群れや遠くに飛んでいるトビが見られたほか、これまで見たことがなかったエゾシカの授乳シーンも見ることができ、なかなかテンションの上がる鳥部一同。浮かれている部員に対し、部長から再び撮影の指示が飛んだ。「えっ、あれトビじゃない?」と、その指示を軽くあしらったのだが、その猛禽類をカラスが追いかけ始めると、その猛禽類がトビよりもかなり小さいことに、自分もさすがに気が付いた。急いで撮影していると部長が一言、「あれ、ハヤブサかチゴハヤブサだよ。」


エゾジカの授乳シーン。

初めてだったので部長ともども感動。

部長(次女)の指示で撮影したハヤブサ(中央)とカラス(左)


 合宿を終えて家に帰り、撮影した鳥たちをパソコンで確認してみると、やっぱり部長の言う通りタヒバリとハヤブサが!

 部長に後から確認してみると、タヒバリはヒバリと歩き方が違うということに気が付いて双眼鏡で観察したところ、体色や羽のパターンなどから図鑑で見覚えのあったタヒバリと推測できたらしい。ハヤブサに関しては急降下を繰り返していたことと、明らかにトビよりも小さいことからハヤブサ(もしくはチゴハヤブサ)じゃないかと思ったとのこと。

 部長の知識と観察力は既に素人の領域を超えているようで、もはや自分には追い付けないところまで行ってしまった・・・。記録係の自分にできることは、部長の希望通りに写真が撮れるように少しでも写真の腕を磨くこと。そして、せめてヒバリとタヒバリが見分けられるようになることくらいだろうか。


桜の蜜を吸うヒヨドリ

冬になると寄り添い、群れるスズメたち。


スズメの子育ての様子


Kiroroan cise

“Kiroroan cise(キロロアン・チセ)”はアイヌ語で楽しい家という意味です。 みんなが集まれる楽しい家のようなサイトになれますようにという願いを込めて、この名をつけました。

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